がんは正常な遺伝子がさまざまな変異のもと、異常な働きが原因でがんを発症することが、解明されてきました。また、がんは成長してある程度大きくなると、細胞の一部崩壊とともにがん細胞内のDNAを放出します。腫瘍細胞が血中を循環するため、循環しているがん細胞やそのDNAを、遺伝子解析にてさまざまな異常情報が判明することにより、抗がん剤を選択することができます。
がんは性質により抗がん剤の効果や副作用など異なりますので、がんの原因である遺伝子解析が大事になります。
「がん」の特徴は「無限増殖」「不死」
増殖に対しては転移や浸潤、血管新生、増殖シグナル経路、増殖シグナル受容体などの因子を分析し、不死に対しては自滅(アポトーシス)シグナルにかかわる因子を分析します。
循環しているがん細胞から、CTC(循環腫瘍細胞)よりがんの原因となっている遺伝子を検査しがん治療に役立てていきます。
これら多くのがんの原因を通常と比較して、働いているかを計測します。
殆どのがん患者さまで、転移浸潤・血管新生・増殖シグナル・自滅シグナルなど多くの部分で、多くの障害を受けています。抗がん剤や分子標的薬があまり効かないで、増殖を止められず、自滅できないことが検査からわかります。
CTC(Circulating Tumor Cell)検査=末梢血循環腫瘍細胞検査
がん細胞が「がん」を激しく広めると思われてきました。がんの細胞のなかに未知だった循環腫瘍細胞(Circulating Tumor Cell)と幹細胞(Circulating Stem Cell)が微量ながら存在することがわかり、この幹細胞が血中を巡り細胞増殖し、そして他の部位や臓器に転移や再発を起こすことがわかりました。
CTC検査の特徴
- 高い感受性
- 採血20cc程度による検査
- 多角的な情報の検証(抗がん剤・ビタミンCなど天然成分検証・放射線治療の是非)
- 予後診断(再発のリスク・潜伏したがんの進行・休眠状態、転移の可能性)
※出典:(株)デトックス社、オンコノミックス検査シリーズ資料より引用
CTC(循環腫瘍細胞)とは
末梢循環腫瘍細胞のことで、初期の「がん」部位から遊離したもので血流に入り循環することによって、離れた器官に「がん」を広げる可能性があります。
※出典:(株)デトックス社、オンコノミックス検査シリーズ資料より引用
血液からDNAを抽出しその分析からそれぞれを評価
※出典:(株)デトックス社、オンコノミックス検査シリーズ資料より引用
遺伝子解析結果から治療への導入
CTC検査によってがんの原因遺伝子が解析され、検査結果の評価から遺伝子治療にも役立てられます。
がん遺伝子治療は
- 「PTEN・CDC6抑制RNA・EZH2抑制RNA」によって転移浸潤や増殖を抑える可能性。
- 「p53・p16」によって細胞死シグナルを回復させて不死のリスクを改善、そしてがんを自滅させる可能性。
CTC検査のがん原因遺伝子の解析で多く出るハイリスク項目は「p53・p16」や、増殖シグナル関係(PTENなど)などが挙げられ、がん遺伝子治療で利用する「p53・PTEN・p16」などの投与が大事であることが分かります。
がん患者さまの多くは転移浸潤・血管新生・増殖・不死などが亢進しています。そのため循環しているがん細胞から「がん」の原因となっている遺伝子の分析を行い、自分のがんの原因を理解して治療法を選択することが必要です。
採血時に起こりえるリスクについて
検査に伴う採血時に起こりえるリスクとしては、非常に稀ではありますが内出血やしびれ、迷走神経反射などが考えられます。これらの症状が起きた場合には適切な処置を行います。