がん遺伝子検査
患者さまの血液を用いてがん関連遺伝子の突然変異、DNAのメチル化、FreeDNAの濃度など、60項目ほどを解析し、現在がんが存在している可能性や将来的にがんになる危険性を評価します。
主に「CTC(末梢血循環腫瘍細胞)検査」、「がんリスク検査」等があり、自分自身の遺伝子を把握できがん治療や再発予防に役立てることができます。
「CTC(末梢血循環腫瘍細胞)検査」にも、以下のようないくつかの検査があります。
循環しているがん細胞やDNAから、がんのいろいろな原因となっている遺伝子を計測して各遺伝子がどの程度障害を受けているのかを検査する「がん原因遺伝子解析」。
いろいろな抗がん剤の中から、どれがどの程度働くのかを計測する「抗がん剤適性試験」。
また、どのようなサプリメントが作用するのかを調べる「サプリメント適性試験」。
このように循環しているがん細胞やDNAを計測することによって色々な検査が行えるようになりました。
がん遺伝子検査の大切さ
がん検査やがん診断で利用される、PET-CT・MRI・CTなどの画像診断はがんが10~20ミリの大きさにならないと発見できません。しかし、がん遺伝子検査では3ミリ程度の大きさのがんでも、検査結果に現れる可能性があります。したがって、がん遺伝子検査はがんの早期発見や再発の早期発見に対する検査と言えます。
がんと闘うためには自分のがんの原因、そしてがんの特性を理解して治療を行う必要があります。
遺伝子検査では、がんの原因遺伝子を解析することで、原因遺伝子を直接治療できるようになったほか、抗がん剤に対する感受性を確認することで、抗がん剤治療を選択することが可能となりました。
がん遺伝子検査で微細な「がん」細胞の早期発見・再発防止
がんの治療前、もしくは治療直後にがん遺伝子検査を受けておくと、どのような遺伝子異常を持つがんなのかを分析する事ができます。治療後に画像診断では見つけにくい微細ながん細胞を見つけることができ、再発リスクを評価することにより、再発防止も可能で仮に再発があったとしても早期発見し治療できるため、根治への近道になります。
何か症状が出たときには、既にがんがかなり進行してしまっている場合がほとんどです。そのため、症状がでる前にがんの治療を行うことが重要です。たとえがん検診でがんが発見できなくても、まだとても小さながんが、ゆっくりと確実に成長している可能性があります。
最近ではがんの遺伝子検査も手軽に受けられるようになってきました。近い将来がんになる可能性や、既に体内のどこかに存在している極めて小さながんのリスクを、科学的に判定できる時代はそう遠くないはずです。
がん遺伝子検査では細胞レベルでの再発の危険性を確認することができるため、治療終了後も定期的にがん遺伝子検査を受け、異常があれば再発予防を行うことにより、治療継続の目安も立てやすくなり、再発の危険は少ないものとなります。